LEGAL ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2025.10)

生成AIの影響

−6.生成AIと著作権−(2)生成AIと著作権の関係-1.総論

□ 生成AIの登場は、ビジネスや社会に大きな影響を与えます。また、情報格差が増々拡大し、知らないうちに、AIに使われる人と、それを使いこなし革命的な進化を遂げる人に二分化されます。スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「IMD世界デジタル競争力ランキング2024」で、日本は67カ国中31位となっており、ITリテラシーの欠如によるDX化の遅れが国家的課題となっています。
 そこで、回を分けて、特に生成AIを中心に、ITがもたらす、「経済効果」、「労働市場」、「社会的課題」、「知的財産権侵害」、「データプライバシーの懸念」、「セキュリティの脆弱性」等について、解説します。
 今回は、「生成AIと著作権ー(2)生成AIと著作権の関係-1.総論(基本的な考え方)」について解説します。

□ AIと著作権が関係する場面は、生成AIの開発と利用するフローを考慮して、段階的に検討する必要があります。例えば、「AIの開発・学習段階」と「AIの生成・利用段階」では著作物の利用行為が異なり、関係する著作権法の条文も異なってきますので、両者を分けて考えることになります。また、AIが生成した「AI生成物」が「著作物」に当たるかという点も、別途、考慮しなければなりません。
 次のとおりです。

□ 基本的な概念の整理
(1)AIの開発・学習段階:
 ・著作物を学習用データとして収集・複製し、学習用データセットを作成
 ・学習用データセットを学習に利用して、AI(学習済みモデル)を開発
(2)AIの生成・利用段階:
 ・AIを利用して画像等を生成
 ・生成した画像等をアップロードして公表、生成した画像等の複製物(イラスト集など)を販売
(3)著作物とは:@思想又は感情を、A創作的に、B表現したものであつて、C文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの(法第2条第1項第1号)

□ 次回、上述の各段階について、解説致します。


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