LEGAL ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2025.06)
生成AIの影響
−4.生成AIがもたらす労働市場
□ 生成AIの登場は、ビジネスや社会に大きな影響を与えます。また、情報格差が増々拡大し、知らないうちに、AIに使われる人と、それを使いこなし革命的な進化を遂げる人に二分化されます。スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「IMD世界デジタル競争力ランキング2024」で、日本は67カ国中31位となっており、ITリテラシーの欠如によるDX化の遅れが国家的課題となっています。
           そこで、回を分けて、特に生成AIを中心に、ITがもたらす、「経済効果」、「労働市場」、「社会的課題」、「知的財産権侵害」、「データプライバシーの懸念」、「セキュリティの脆弱性」等について、解説します。
           今回は、「生成AIがもたらす労働市場」について解説します。
          
□ 生成AIがもたらす労働市場については、内閣府が詳細かつ膨大な調査を行っています。
            参考文献:「世界経済の潮流 AIで変わる労働市場(令和6年7月)」/内閣府制作統括官(経済財政分析担当)※全体版(PDF形式:3,857KB)
            →https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh24-01/index-pdf.html
            
 以下に要約します。
          
□ 要約
            ●AIの汎用技術としての位置付け
            ・近年、AIは「汎用技術」として社会や経済に大きな影響を与える可能性があると認識されている。特に、生成AIは広範な作業に対応できる能力を持つとされている。
            ・AIは「予測装置」として定義される。
            汎用技術は、長期的な改善、経済全体への浸透性、補完的イノベーションを生み出す能力を持つ。
            AIは、従来の専門家の予測を上回る速度で進化している。
            ・AIと他の汎用技術の比較
            AIは、蒸気機関やコンピュータ、インターネットと比較され、その特性が明らかにされている。特に、AIは自己学習能力や創造性を持つ点で他の技術と異なる。
            ・AIの主なアウトプットは、高度な分析やコンテンツ生成である。
            ・AIは認知的タスクに広く影響を与える。
            ・自己学習能力があり、創造的な発案が可能である。
            ・生成AIの特性と影響 生成AIは、従来型AIとは異なり、自然な文章を生成する能力を持ち、ビジネスや学術活動に広く活用されている。特に、タスクレベルの生産性向上が顕著である。
            ・OpenAIのChat-GPTは、膨大な情報に基づく予測を行う。
            ・生成AIは、タスクレベルの生産性を10〜56%向上させる。
            ・専門性の高い分野でも短時間で大量の情報生成が可能である。
            ●AIによる職業の代替と補完
            ・AIの進化により、従来人が行っていた仕事の多くがAIに代替される可能性がある一方で、新たな需要を生み出すことも期待されている。
            ・約47%のアメリカの労働者がAIの影響を受けやすい職業に属している。
            ・AIの導入により、企業レベルの生産性が0〜11%向上する。
            ・AIは、翻訳や医療画像解析などで労働者の生産性を高める補完的な役割も果たす。
            ・AIの導入とその影響 AIの導入は企業の生産性向上に寄与する一方で、職業やタスクの代替と補完の両面で影響を及ぼす。特に、事務的タスクの自動化が進むことで、労働市場に変化が生じる可能性がある。
            ・2023年時点で、アメリカ企業のAI導入率は5%未満。
            ・過去の技術導入の例から、10年後には導入シェアが加速し、20年後には50%を超える可能性がある。
            ・AI導入による生産性向上は、マクロ経済指標にも影響を与えるとされる。
            ・AIによる職業の補完と代替 AIは職業に対して代替と補完の両方の影響を持ち、特に事務的タスクにおいて自動化が進む。これにより、労働者の業務内容や負担が変化する。
            ・約80%の労働者の10%のタスクがAIによる自動化の対象。
            ・約19%の労働者の50%以上のタスクが自動化可能。
            ・AI導入済みの職場では、仕事のやりがいが高まる一方で、ストレスも増加する傾向がある。
            ●AIの職場への肯定的影響
            ・多くの労働者がAIの導入による職場への肯定的な影響を期待している。特に業務能力や実績の向上が期待されている。
            ・調査によると、AIが職場に肯定的な影響をもたらすと回答した労働者は約60〜70%。
            ・自身の業務能力の向上を期待する割合は75%。
            ・職場での幸福度の上昇を期待する割合は69%。
            ●AIの影響を受ける職業の分類
            ・AIの影響は職業によって異なり、代替性が高い職業と補完性が高い職業に分けられる。特に、意思決定の重要性が高い職業はAIによる補完が期待される。
            ・代替性が高い職業には、コールセンターオペレーターや経理事務員が含まれる。
            ・補完性が高い職業には、医師や弁護士が含まれ、社会的な判断が求められる。
            ・物理的タスクのシェアが大きい職業はAIの影響が小さい。
            ●AIの導入による国際的な影響
            ・先進国はAIの影響をより強く受ける可能性があり、特に事務的タスクのウェイトが高い職業に従事する就業者の割合が高い。
            ・世界全体で代替性の高い職業は21%、先進国では32%。
            ・AI対応度指標が高い国では、AIの導入が進みやすい。
            ・先進国では、AIの導入が労働市場に与える影響がより速く進行する可能性がある。
          
□ 以上、生成AIに要約させました。所要時間は2秒でした。
<リモートワーク・WEB会議システム導入支援サービス>
            → LEGAL NETでは、リモートワーク、WEB会議システムの導入支援、及び、ポリシー策定のサポートをしております。お気軽にお問い合わせ下さい。