LEGAL ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2023.04)

ChatGPT

−1. 意義

□ 本年3月29日の衆院内閣委員会で、立憲民主党の中谷一馬氏が人工知能(AI)を用いた対話型の自動応答ソフト「ChatGPT」で作成した質問を、岸田文雄首相に問い、中谷氏はChatGPTが作った「首相答弁」を紹介しました。
 ChatGPTをめぐっては、開発した米新興企業オープンAIのサミュエル・アルトマン(Samuel H. Altman)氏が、同年同月10日に岸田文雄首相と面会し、日本での事務所開設を検討していることを表明しています。西村経済産業相は「高精度な言語AIツールは、さらなる性能向上によって言葉を使う仕事などを抜本的に変える可能性がある」とし、「日本がAI分野でどのような戦略で取り組んでいくべきか、早急に詰めていきたい」と述べ、また、「懸念が解消された場合には、国会答弁の作成などで活用を検討する」との考えを示し、G7でのルール作りについても言及しています。
 近時、世界中で話題になっている「Chat GPT」について、解説します。

□ ChatGPTとは何か?
 ChatGPT(= Chat Generative Pre-trained Transformer:チャットジーピーティー)は、米国の企業OpenAIが2022年11月に公開した人工知能チャットボットのことです。原語のGenerative Pre-trained Transformerとは、「生成可能な事前学習済み変換器」という意味で、OpenAIのGPT-3ファミリーの言語モデルを基に構築されており、教師あり学習と強化学習の両方の手法で転移学習されています。

□ 反響について
 ChatGPTのリリース後、OpenAIの評価額は290億米ドルとなり、2021年時の140億ドルと比べて2倍以上に増加しています。スイスの金融グループであるUBSによると、ChatGPTがアクティブユーザー数1億人に到達するのにかかった時間は、たった”2か月”であり、TikTokとInstagramが9カ月であるのに対して、史上最速です。
 また、ニューヨーク・タイムズは、「ChatGPTを今まで公衆に公開されてきたチャットボットの中で一番良いものである」と評しています。また、英ガーディアンはChatGPTが「驚くほど詳細」でまるで「人間のような」回答を生成することができるとし、ChatGPTを生徒の課題に使い、出力結果が優秀な生徒による回答と同レベルであることを発見した上で、「学界は大きな問題に直面している」と記しています。

□ 機 能
 チャットボットの主要機能は人間と人間の対話を模範とするにもかかわらず、ChatGPTはそれを越す汎用的かつ即興的な機能が備わっています。マルバツゲームの相手をしたり、Linuxシステムをエミュレートしたり、プログラミングやデバッグを行うことが可能です。また、音楽、小説、脚本、詩、歌詞や作文などのクリエイティブな活動も行うことができ、また、特定のテストに対して、人が行う以上の回答を行うことができる等、幅広い機能を持ち合わせています。

□ 次回以降において、ChatGPTの可能性と問題点、利用方法について説明する予定です。

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