LEGAL ライブラリー − 注目の「LEGAL+ITニュース」(2021.11)

連載“改正民法”

−第22回「使用貸借」

□ 2020(令和2)年4月1日より、改正民法が施行されました(「民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)」、平成29年5月26日成立、同年6月2日公布)。
 現在の民法(債権関係)は1896(明治29)年に制定されました。債権法は取引社会を支える法的な基礎であるにも関わらず、約120年もの間、ほとんど改正がなされていません。
 今回の改正は、社会・経済の変化への対応を図り、国民一般に分かり易いものとするために、実務で通用している基本的なルールを明文化したものです。
今回は「使用貸借」について、解説します。

□ 重要ポイント
1.要物契約から諾成契約への変更(改正民法第593条)、及び、目的物引渡前の解除権
2.契約終了時の収去義務と原状回復義務(改正民法第599条)

□ 解 説
1.使用貸借契約とは(諾成契約への変更)
 従来は、「使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。」と規定されていました(旧民法第593条)。借主が貸主から目的物の引渡を受けることによって契約が成立する要物契約とされていたものです。賃貸借と異なる点は、無償であることです。したがって、事前の合意に法的拘束力を認めず、目的物が引き渡されてから権利義務関係が生じることとされていました。しかし、目的物引渡し前の合意にも、法的拘束力を与える必要性はあります。
 そこで、今回の改正により、使用貸借を諾成契約とし、また、使用貸借の無償性を考慮して合意の拘束力を緩和し、目的物の引渡前の解除が認められています(改正民法第593条の2)。

2.契約終了時の収去義務と原状回復義務
 借主には、契約終了時に借りた物に付属させた物を収去する義務が明文化されました(改正民法599条第1項)。また、借主の帰責事由ある損傷がある場合には原状に復する義務があることが明文化されました(同条第3項)。


<リモートワーク・WEB会議システム導入支援サービス>
→ LEGAL NETでは、リモートワーク、WEB会議システムの導入支援、及び、ポリシー策定のサポートをしております。お気軽にお問い合わせ下さい。