IT ライブラリー − 注目の「ITニュース」(2018.12)

次世代移動通信「5G」

−近未来のビジネスモデルと各国の覇権争いの背景にあるものは!?

□ 5Gとは何か
 5Gとは、第5世代移動通信システム(=英語表記: 5th Generation)の略称であり、現在規格化が進行中の次世代無線通信システムのことです。
 1980年代に「1G」即ちアナログ方式の自動車携帯電話(重量3kg)が登場し、1990年代に、デジタル方式の「2G」即ちポケットベル、PHS、電子メールが使われるようになり、2001年に「3G」即ち「IMT-2000」や「CDMA2000」の登場により、携帯電話によるインターネット利用が急激に普及しました。無線データ通信網の技術革新が実現し、現在は、大幅に通信速度が向上し、第4世代「4G」となっています。
 今回は、各国の覇権争いが激化している「5G」について、説明します。

□ 現代社会の課題と5Gの必要性
 現在、スマートフォンが普及し、電子メールやSNSの送受信や音楽・動画を視聴している限りは4G通信で問題はありません。しかし、IoT(=Internet of Things)化が進み、あらゆるモノがインターネットに接続することで、トラフィック(:通信回線を利用するデータ量)が急増します。光通信ではコスト面も含めて限界に来ています。
 特に、少子高齢化社会に突入した我が国では、労働人口が減少しており、機械化=ワイヤレス通信はコスト面も含めて5G通信による問題解決は必須となっています。

□ 5Gの課題
 通信速度を10Gbps程度に引き上げるために、現在の4G(最大3.5GHz程度)よりも高い周波数帯(800MHz〜1GHzの帯域幅)の電波を用いる必要があります。
 同時に、高い周波数の電波を低消費電力で確実に届けるアンテナ、伝送技術、Wi-Fiなど他の伝送経路を活用するソフトウェア技術の向上を行わなければなりません。また、IoT時代では、数兆個の機器がインターネットに接続することになるため、一つのセル、所謂、アクセスポイントが扱える機器の能力を向上させなければなりません。さらに、機器間で数ミリ秒以内の低遅延性が求められます。例えば、4Gでは10ms(0.01秒)程度だった無線区間の遅延を、5Gでは1ms(0.001秒)、即ち、10分の一の短縮が求められます。

□ 5Gの未来社会
 5Gの社会になると、例えば、ウェアラブルデバイス、自動運転車、産業用ドローン、遠隔医療診断、遠隔手術、農業用センサー、道路・橋梁の異常検知センサー、セキュリティカメラ、8K映像配信、分身ロボットによる介護サービス等が急拡大することになります。
 これは、2020年、即ち、2年後の我々の社会生活です! 米国、中国(ZTE、HUAWEI、Xiaomi)、ロシア(kaspersky)等、各国の覇権争いが激化している理由がここにあります。

◎ LEGAL NETでは、SSL/TSL化、及び、Flash終了問題への対応サポートをしております。お気軽にお問い合わせ下さい。