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改正 特定商取引法!

−FAX広告の規制等、厳しい規制強化!

□ 事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律である「特定商取引法(旧称「訪問販売法(訪問販売等に関する法律)」)」が改正施行されます(2016年5月25日成立、同年6月3日公布)。
 特定商取引法は、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等、消費者を守るルールが規定されています。

□ 主な改正点は以下のとおりです。

(1)通信販売に関するFAX広告の制限:これまで、FAX広告に関する規制はありませんでした。今回の改正で、「通信販売の場合」に規制がされることになります。「通信販売」とは、広告を見た消費者が、電話やインターネット等で購入の申込みを行う取引方法です。FAXによるDMにより、インターネット等に誘導し、商品・サービスの購入を行わさせるということはできなくなります。
 次の規制に違反して通信販売に関するFAX広告を送信した場合、行政庁から2年以内の「業務停止処分」を科されることになります。
 @ FAX広告をする場合は、送信先からの請求、承諾があった旨の記録を作成、保存
A FAX広告をする場合は、送信先が今後FAX広告の提供を受けない旨の意思表示をする手段についての表示

(2)悪質な業者を排除:これまで、消費者庁から業務停止などの措置を受けた悪質な業者が、別の法人を起ち上げて、同じ事業を行っているケースがありました。これを防止するため、業務停止を命ぜられた法人の取締役やこれと同等の支配力を有すると認められるもの等に対して、停止の範囲内の業務を新たに法人を設立して継続すること等を禁止するという規定が新設されました。
 違反した場合は、個人は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金になります。また、都合の悪いことを隠すなどの不実告知に対する法人への罰金を300万円以下から1億円以下に引上げられました。

(3)消費者保護のための行政処分:これまで、消費者庁等の行政は、事業者と消費者との返金トラブルについては、直接介入することはできませんでした。主たる業務は、事業者に対する処分であったためです。今回の改正で、業務停止命令を受けた業者に対して、返金を求める消費者への適切な対応、具体的には、計画的な返金の実施等、消費者利益を保護するために必要な措置を指示できることになりました。

(4)電話勧誘販売における過量販売規制:これまで、電話での勧誘の場合に、早く切ってほしいので、必要以上に多めに買ってしまうケースが多く発生していました。そこで、消費者が日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品の売買契約を締結した場合は、処分の対象になります。また、契約の申込みの撤回、又は、解除を行うことができます。

□ ネット通販市場は、驚異的な伸長を続きています。しかし、悪質な事業者も存在するのは事実です。法令を遵守し、誰もが安心して利用できるインターネット社会を実現したいものです。

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