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経理の実務が変わる「電子帳簿保存法の改正とタイムスタンプ技術」(2)

−2016年1月1日から適用開始!−

□ 2015年の税制改正において「電子帳簿保存法」が改正されました(2015年9月30日施行、2016年1月1日適用)。今回の改正により、経理の実務も変わり、大幅な経費削減が期待できます。前回の「電子帳簿保存法の概要、及び、改正点、留意点」に続いて、今回は、本改正の核となる「タイムスタンプ技術」について解説します。

□ タイムスタンプ(デジタルタイムスタンプ:時刻認証)とは:これは、対象となる書類が刻印された日時に存在し、現在まで変更されていないことを証明する電子的時刻証明書です。「財団法人日本データ通信協会」が基準を定め、その基準を満たす事業者の提供するタイムスタンプのシステムでなければ、電子帳簿保存法で認められる電子的文書の対象とはなりません。タイムスタンプは次の2つの証明を行います。
(1)事象の存在証明 確定時刻に電子データが存在していたこと。
(2)電子データの完全性証明 確定時刻以降、電子データが改竄されていないこと。

□ 背景・必要性:実社会で取引の安全と信頼を確保するために行っている“5W1H”を仮想空間上の取引でも要求しようとする時、新しい基準が必要となります。電子文書は複製、更新が容易であるからです。これをIT(情報技術)で実現するのが「PKI技術」であり、デジタル署名のコアとなるのがタイムスタンプです。

□ メリット:タイムスタンプによって、電子データの信憑性が確保でき、安心して電子データの交換が可能になります。人々は電子化による利便性を享受でき、ペーパレス化社会を実現することが可能となります。
 なお、各省庁よりタイムスタンプを用いた省令、ガイドラインが発行されています。是非、御一読頂きたいと思います。
 ・国税庁 税申告の付帯資料保存の法令
 ・金融庁 電子メール保存についての通達
 ・厚生労働省 医療文書電子化ガイドライン
 ・特許庁 知的財産保護ガイドライン

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