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企業の社会的責任(CSRとSRI)
文書番号 : LB00284
更新日 : 2003/12/25
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CSR(企業の社会的責任)とSRI(社会的責任投資)とは何か?
事例
グリーンファンドやエコファンド等のSRIファンドは、高いリターンが期待できると聞きました。一方、企業の不祥事、特に投資信託業界の不祥事のニュースも耳にします。
会社の経営を担う者は何に取り組み、また、投資を考える者はどのような基準で行なえば良いのでしょうか。
本稿については二回に分け、「基本的な考え方と世界とわが国の動向」「コンプライアンス体制の構築」について、法務的な視点から具体例を紹介しながら、ご説明したいと思います。
1.21世紀の地球はコミュニケーション技術が発達し、全ての問題は地球規模での解決を迫られることになりました。企業経営のあり方も、機関投資家の投資判断基準も変容しつつあります。その潮流の根底にある考え方が「企業の社会的責任(CSR=Corporate Social Responsibility)」、「社会的責任投資(SRI=Socially Responsible Investment)」と言われるものです。
企業は人権・労働・環境などの問題に積極的に取り組むべきで、機関投資家はCSRへの取り組み度合いにより投資先を選定しようというものです。企業の評価、格付けもインセンティブがあり、社会的責任をより多く果たしている企業に資金を回し、市場の力によって社会をより良い方向に誘導しようという考え方が根底にあります。購買運動や不買運動も市民による企業の存廃に大きな影響を及ぼします。これは信用できる調達先を選ぶ基準にもなっており、中堅・中小企業も対応が迫られつつあります。
2.世界の動向
1999年1月、国連事務総長のアナン・コフィー氏が、世界の企業経営者に向けて「グローバル・コンパクト」への参加を呼びかけました。「グローバル・コンパクト」は、グローバリゼーションに起因する様々な課題に対処するため、スイスのダボスで開かれた世界的なフォーラムです。翌年7月、ニューヨークの国連本部で正式に発足しました。「グローバル・コンパクト」は、本プロジェクトに参加する世界各国の企業に対して、人権・労働基準・環境の3分野において、9つの普遍的な原則を支持、実践するよう求めています。これに参加する各企業は、国際連合、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、国連環境計画(UNEP)、国際労働機関(ILO)、国連開発計画(UNDP)、国連工業開発機構(UNIDO)、更に非政府組織(NGO)、労働団体など、様々な組織とパートナーシップを組み、より公平で包括的な世界市場を構築するための活動に参加することになります。
これを受け、欧米諸国ではより具体的な活動が行なわれています。米国では、SRIの資産残高は2兆1千8百億ドル(円換算で約200兆円)を超える巨大市場になっています(ソーシャル・インベストメント・フォーラムの調査による)。欧州では、英国でブレア首相が年金法を改正(2000年7月)し、英国企業年金の約90%を企業の社会的責任に向けた運用をするとの方針を表明しており、フランス、オランダ、スイスも「SRI報告書」という情報開示方法の統一的基準策定に取り組んでいます。
3.日本の動向
わが国は、欧米諸国と比較し遅れているのが現状です。カリフォルニアで大規模工事を受注したにも関わらず、ミャンマー軍事政権を間接支援したとの理由で契約を破棄されたり、環境に優しいエンジン作りを標榜しながら、実は米国工場において汚染を繰り返していたり、大手電気メーカーがメキシコで妊婦を雇用昇進面で差別し、人権擁護団体から攻撃されたりと、世界市場から厳しい評価、批判を受けています。
その理由は、@政府、経営トップがコンプライアンスへの取り組みに消極的であること、A企業倫理に関する世界的潮流の不理解、B日本企業の構造的課題の不認識、C仕組み作りへの計画が不鮮明である事などが挙げられています。しかし、近年、国際化社会に向けたコンプライアンス(法令遵守)への関心が高まりつつあります。
(1)わが国の商法は、2001(平成13)年に3回、また、2002(平成14)年、2003年にも改正が行われました。これは半世紀ぶりの抜本的改正作業であり、2005年の「新会社法」制定が最終段階と考えられています。
これらの改正の骨子は大きく4つに分けられます。@ファイナンス分野での規制緩和、A監査制度を含めた企業統治機能の強化、BIT(情報技術)に対応するための改革、Cクロスボーダー取引に対応するための改革です。基本的に企業の規制を大幅に緩和するものです。それ故、コーポレイトガバナンスの観点から、適法性を監査するシステムの構築が急務となってきています。
(2)また、企業の実務において、「企業が日々の事業活動やステイクホルダーズとのインタラクションにおいて、社会的環境的視点を取り込むこと」が推奨されています。事実、経団連の1%クラブや文化財団の「企業の社会貢献賞」に留まらず、このような貢献度の高い企業株を揃えて投資を募る「社会的責任投資=SRI」(「社会貢献投資型ファンド」「エコファンド」「グリーンファンド」)が出現してきました。
以 上
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